はじめに
「ホームページを作りたいけど、相場がまるでわからない」。「見積もりが会社によって10倍も違う。何を信じればいいのか」。Web制作とSEOで食べているフリーランスとして、私はこの手の相談を何回も受けます。
先にお伝えしますと、ホームページ制作に「定価」はありません。同じ「会社紹介サイト・10ページ」という依頼でも、フリーランスなら数十万円、大手制作会社なら200万円を超えることもあります。
(出典: WEB学園 byお名前.com)

先に、身も蓋もない事実になってしまいますが是非離脱せずお読みください (汗)
この金額の差は、手抜きでもボッタクリでもありません。体制・工程・保証範囲がまるで違うから、金額も違うという話になります。ただ厄介なのは、その中身を知らないまま契約したときです。「聞いていた額より大幅に高くなった」「入っていると思った機能が入っていなかった」
…トラブルはたいてい、ここから始まります。
だからこの記事では、相場の一覧をただ並べるのではなく、現役の制作者だからこそ言える「見積もりのカラクリ」に踏み込みます。契約前に必ず見てほしい10項目も、後半でまとめて渡します!
依頼先別・費用相場の早見表
まず結論から言います。依頼先ごとのおおよそのレンジはこうです。
| 依頼先 | 費用レンジの目安 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 大手制作会社 | 100万円〜300万円以上(中規模で300万〜600万円) | ブランディングや大規模サイトを本格的に構築したい企業 |
| 中小・地域の制作会社 | 30万円〜100万円程度(発注平均98万円・中央値54万円) | コストと品質のバランスを重視する中小企業 |
| フリーランス | 5万円〜50万円程度 | 予算を抑えつつ柔軟に相談したい個人事業主・小規模事業者 |
| 格安パッケージ・テンプレート型 | 初期3万円台〜+月額数千円〜 | とにかく早く・安く公開したい人 |
| ノーコード自作(Wix・ペライチ等) | 月額0円〜1万円弱 | 自分で更新・運用まで行いたい人 |
出典: あきばれホームページ、Web幹事、PRONIアイミツ



実際の金額は、サイトの種類・ページ数・機能で大きく動きます。順番に見ていきましょう。
1. 依頼先別の費用相場
依頼先による価格差の正体は、突き詰めると2つです。「体制の厚さ」と「保証・サポートの範囲」。
安いから悪い、高いから良い…そういう単純な話ではありません。自社の目的と予算に合うかどうか、それだけで選んでください。
1.1 大手制作会社
費用レンジ: 100万円〜300万円以上。中規模(30ページ程度)で300万〜600万円、大規模・多機能なサイトなら1,000万円を超えることもあります(出典: あきばれホームページ、Web幹事)。
向いているのは、ブランド戦略の設計から丸ごと任せたい企業、大規模なシステム連携が必要な企業、そして社内稟議で「実績のある大手」でないと通らない企業です。プロジェクトマネージャー・デザイナー・エンジニア・マーケターと役割がきっちり分業されていて、その体制の厚さが強みになります。
注意点も一つ。同じ規模のサイトでも、フリーランスの数倍になることがあります(出典: WEB学園 byお名前.com)。これは「大手だからふっかけている」のではなく、営業・ディレクション・品質管理の人件費が積み上がった結果です。逆に言えば、小規模なコーポレートサイト程度で大手に頼むと、予算的にオーバースペックになりやすい。これは覚えておいてください。



私がこれまでお話しした事業者の方の中には、200万円をかけたのにも関わらず、成果が見合わずトラブルになった方がいらっしゃいました…
1.2 中小・地域の制作会社
費用レンジ: 30万円〜100万円程度。中小企業がもっとも選びやすい価格帯です。PRONIアイミツの取引データ(2020年1月〜2025年3月集計)では、発注1件あたりの平均額98万円、中央値54万円(出典: PRONIアイミツ)。平均と中央値がここまで離れるのは、一部の高額案件が平均を吊り上げているからです。実感としては「50万円前後が一番多い」と読むのが妥当でしょう。



対面や電話でじっくりすり合わせたい、地域の実績や紹介を頼りにしたい。そういう企業に向いています。
ただ、ここは正直に書きますが、「中小制作会社」という括りは、中の実力差がとにかく大きいように感じます。私自身、下請けとして何社かの案件に入ってきましたが、同じ価格帯でもディレクターの経験値ひとつで仕上がりがまるで変わります。過去の制作実績、できれば同業種のものを必ず見せてもらってください。ここを省くと、外れを引きます。
1.3 フリーランス
費用レンジ: 5万円〜50万円程度(ソースにより幅があり、小規模サイトなら4万〜15万円という記載もあります)。制作会社と比べておおむね3〜5割安い、という整理もあります(出典: Web幹事)。
低コストで、かつ担当者と直接やり取りしながら進めたい。そういう個人事業主・小規模事業者に向いています。中間マージンが乗らない分、同じ予算でもデザインやコーディングに工数を厚く割いてもらえることがあります。
一方で、これは同業者だからこそ言いますが、フリーランスは「個人の力量とキャパシティ」がそのまま品質になります。安さの裏側には、法人としての保証も、複数人によるチェック体制もない。実際、「制作の途中で連絡が取れなくなった」というトラブルも指摘されています(出典: あきばれホームページ)。



契約前に、公開後の運用・保守までみてもらえるのか、万一連絡が途絶えたときデータはどうなるのか。ここだけは詰めておいてください。
1.4 格安パッケージ・テンプレート型サービス
費用レンジ: 初期制作費3万円台〜(例: 32,780円税込〜)+月額数千円〜のサブスク型が主流です。月額数千円という破格のサービスも存在します(出典: ten-deza)。



実際にあった相談です。格安の月額契約で作った方が解約しようとしたら、サイトの所有権は業者側で、手元には何も残りませんでした。ゼロから作り直しです。契約前に「やめたらサイトはどうなりますか?」の一言だけは必ず聞いてください。
短期間・低予算でとにかく開設したい、予算を先に確定させておきたい。そういう人には向いています。料金が最初から明示されているので、見積もり交渉の手間もかかりません。
ですが、正直に言えば、ここが一番トラブルを見る領域です。テンプレート依存なのでデザインが他社と似る、カスタマイズに制限がある、SEO対策が手薄になりがち。そこまでは想定内でしょう。厄介なのはその先です。「初期費用0円」に惹かれて契約すると、月額の積み上げで長期的にはむしろ割高になりがちです。さらに、解約時の違約金や、サイトの管理権限が発注者に譲渡されない(=自分の資産にならない)といった事例まで報告されています(出典: デジマーケ)。



契約前に「解約するとき、サイトのデータは持ち出せますか」。これだけは絶対に確認してください。絶対です。
1.5 ノーコード自作(Wix・STUDIO・ペライチ・Jimdoなど)
自分でツールを使って組み上げる方法です。代表的なサービスの料金はこうなっています。
- Wix: 月額0〜約159ドル(プランにより幅。最上位のBusiness Eliteプランが159ドル/月)。800以上のテンプレートを持ち、世界2億ユーザーが利用
- Jimdo: 月額0円〜5,000円台(プランにより幅。無料プランがあり、有料プランは自由度重視の「クリエイター」系で965円〜5,190円/月、AI自動生成の「AIビルダー」系で990円〜1,590円/月)。AIによる自動生成機能があり、最短5分でサイトを構築可能。KDDIと提携
- ペライチ: 月額0〜7,678円(最上位のプロフェッショナルプランが7,678円/月)。40万ユーザー超が利用し、決済・予約・メルマガ機能を統合
出典: SaaSくらべ(Jimdoの料金は2026年7月時点の実勢に合わせてPRONIアイミツ、Web幹事の情報で修正)
使い分けの目安はシンプルです。デザインの自由度がほしいならWix、最短で最低限の体裁を整えたいならJimdo、1ページ完結の告知・集客ページならペライチ。最安で即日〜数日、自分でこまめに更新もしたい、という人に向いた選択肢です。
ただし限界もあります。デザインの自由度に制約があり、独自ドメインや機能拡張で追加費用が発生します。SEOや表示速度の技術的な最適化にも天井があり、事業が伸びて別システムへ移そうとすると、その移行コストが重くのしかかります。
一般論より、あなたのサイトと状況を見て話すのが最短です。現状と予算を伺って「何を・どの順番で・いくらでやるべきか」をその場でお伝えします。相談無料・しつこい営業なし・2営業日以内に返信します。
2. サイトの種類別の相場
相場を動かすのは「依頼先」だけではありません。「何を作るか」でも桁が変わります。同じ制作会社に頼んでも、コーポレートサイトとECサイトでは金額の桁が一つずれる、なんてことは珍しくないのです。
| サイトの種類 | 費用相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| コーポレートサイト(小規模・10ページ以下) | 30万円〜70万円 | ページ単価目安: トップ10万〜20万円、下層2万〜7万円 |
| コーポレートサイト(中規模・20〜30ページ) | 80万円〜150万円 | 別ソースでは「100万円前後」という整理も |
| コーポレートサイト(大規模) | 150万円〜500万円以上 | 動画・アニメーション等を含むと高額化 |
| LP(ランディングページ) | 平均55.4万円・中央値40.0万円 | 最多価格帯は30万〜60万円 |
| ECサイト | 平均約133万円・中央値約71万円 | 構築方法により10万円〜数千万円まで幅がある |
| 採用サイト(シンプル型) | 30万円〜50万円 | オリジナルデザインで作り込むと100万円以上 |
| オウンドメディア(初期構築) | 50万円前後(サイトのみ)〜200万円以上(コンテンツ設計込み) | 月額運用費は1万5,000円〜5万円前後が一般的 |
出典: Web幹事「コーポレートサイトの費用と料金相場」、Web幹事「LP制作の費用相場」、stock-sun、PRONIアイミツ「ECサイト構築費用」、Web幹事「採用サイトの費用と料金相場」、Web幹事「オウンドメディア構築・運用の費用相場」
コーポレートサイト(会社紹介サイト)
依頼が一番多いのがこのタイプです。金額を決めるのはページ数と作り込みの深さ。小規模(10ページ以下)で30万〜70万円、中規模(20〜30ページ程度)で80万〜150万円、トップページを作り込んで動画やアニメーションまで盛り込む大規模なものだと150万〜500万円以上になります。
参考までに、コーポレートサイトの発注実績が平均95.6万円・中央値50万円という数字もあります(出典: stock-sun。ただしこれは厳密な統計調査ではなく実例ベースの集計である点に留意してください)。
LP(ランディングページ)
広告や特定商品の訴求に特化した、1ページ完結型のサイトです。依頼先別では大手制作会社50万〜150万円、中小制作会社20万〜80万円、フリーランス5万〜30万円。全体では平均55.4万円・中央値40.0万円で、約4分の3が60万円以内に収まり、需要が一番厚いのは30万〜60万円の帯です(戦略設計からオリジナルデザインまで一貫対応、制作期間1〜2ヶ月程度/出典: Web幹事、stock-sun)。
ECサイト
金額の幅が一番大きいのがECサイトです。PRONIアイミツの取引実績(2020年1月〜2025年7月集計)では平均約133万円・中央値約71万円。対象企業の約80%が100名以下の中小企業で、300名以上の大企業では約200万円が目安です(出典: PRONIアイミツ)。
構築方法で見るとさらに差が開きます。楽天市場などのモール型が10万円以下、BASE・Shopifyなどのテンプレートを使うASP型が無料〜100万円、EC-CUBEなどのオープンソース型が100万〜500万円、完全オリジナルのフルスクラッチだと500万円〜数千万円。しかもこれとは別に、月額のサーバー代・システム利用料・決済手数料・保守費用がかかります。初期費用だけで判断しないでください。
採用サイト
テンプレート活用のシンプル型なら30万〜50万円、社員インタビューや撮影を含めてオリジナルで作り込むと100万円以上。ここで費用を左右するのはページ数ではなく「コンテンツ制作費」です。取材・撮影・原稿執筆。ここに金がかかります。150万円を超えてくると、採用戦略の設計や求人媒体との連携まで含まれるのが一般的です(出典: Web幹事)。
オウンドメディア
ブログ記事などを継続発信して集客につなげる形態です。サイトの構築だけなら50万円前後。ただしコンテンツ設計から依頼すると100万〜200万円以上になります。そして忘れがちなのが、公開後も月額1万5,000円〜5万円前後の運用費が続くこと。初期費用だけを見て決めると、ここが想定外の出費になります(出典: Web幹事)。
3. 費用の内訳
見積書の金額は、要するに「誰が・どの工程に・どれだけ工数をかけたか」の積み上げです。内訳の相場感を持っておくと、目の前の見積もりが妥当かどうか、自分で見当がつくようになります。
| 項目 | 単価・割合の目安 |
|---|---|
| ディレクション費(進行管理) | 制作費全体の10〜30%(総額100万円なら20万〜30万円が目安) |
| デザイン費 | トップページ15万〜30万円(5万〜15万円/案という記載も)、下層ページ3万〜15万円。全体の15〜25%程度 |
| コーディング費 | トップページ約20万円、下層ページ3万〜8万円。全体の20〜30%程度 |
| CMS導入費 | 5万〜15万円 |
| ヒアリング・要件定義・設計 | 無料〜30万円 |
| 原稿・写真素材 | 自社支給か制作会社手配かで金額差が大きい。取材・プロカメラマン撮影を含めると採用サイト等で数十万円規模に |
| 保守運用費(月額) | ドメイン・サーバー・SSL: 数百円〜5,000円程度/システム保守・更新: 1万〜5万円(1万〜10万円という記載も)/SEO・運用コンサル: 3万〜15万円(「月額10万円から」という記載も) |
出典: Web幹事「見積書にある『ディレクション費』とは」、NTTタウンページ、PRONIアイミツ、あきばれホームページ
現場の実感を一つ。見積書の中で一番質問されるのは、まちがいなく「ディレクション費」です。「何も作ってないのに金を取るのか」と感じる方が多い。でも実際は、クライアントとのやり取り、スケジュール管理、工程間の調整——目には見えないけれど確実に発生している工数です。
むしろ警戒すべきは逆で、この項目が極端に安い、あるいはゼロの見積もりです。進行管理が手薄になりがちで、次章で触れる「一式見積もり」のトラブルに直結します。
もう一つ。保守運用費は、初期費用の安さだけで決めると後で逆転します。月額の総額で見ると、初期が高かったところのほうが結局安かった、という話はいくらでもある。年間・3年間のトータルで比べてください。
4. 見積もりで確認すべき10項目
見積もりトラブルの大半は、「金額」そのものではなく「範囲の認識違い」から生まれます。ここからは、私が実務で「これを先に確認しておけば」と何度も思ってきたポイントを、10項目に絞って渡します。飾りは要らないので、キビキビいきます。
① 項目が「一式」表記になっていないか
なぜ確認するか: 「デザイン一式」「コーディング一式」——この書き方は、何にいくらかかっているかがブラックボックスです。
確認しないとどうなるか: ページを増やしたい、修正したいという場面で「それは一式の範囲外なので追加です」と言われる。当初の一式に何が入っていたのか判断できず、言い値で払うしかなくなります。
見積書のどこを見るか: ページ数・機能ごとに金額が分解されているか。「一式」があったら「内訳を分解してもらえますか」と聞いてください。ここで嫌な顔をされたり、返答が曖昧だったりする会社は、それだけで要注意です。
② 作業範囲(スコープ)の明確化
なぜ確認するか: どこまでが基本料金で、どこからが追加なのか。この線引きが曖昧なまま契約すると、認識のズレがそのまま追加請求になります。
確認しないとどうなるか: 「バナー作成も込みだと思っていたら別料金だった」「問い合わせフォームは含まれていなかった」——定番の行き違いです。
見積書のどこを見るか: 「含まれるもの/含まれないもの」の記載があるか。なければ、口頭ではなく書面で明記してもらってください。
③ 修正回数・修正対応期間の上限
なぜ確認するか: デザインもコーディングも、修正は無制限ではないのが普通です。
確認しないとどうなるか: 「微調整を3回頼んだら、4回目から追加料金と言われた」。よくあります。デザインの好みは発注者と制作者でズレやすく、やり取りが長引きがちです。
見積書のどこを見るか: 「デザイン修正○回まで」「公開後○ヶ月は軽微な修正対応」といった条件があるか。なければ着手前に。
④ 著作権・二次利用権の帰属
なぜ確認するか: 納品後、デザイン・コード・原稿の著作権が発注者と制作者のどちらに残るか。これは将来の改修や引き継ぎに直結します。
確認しないとどうなるか: 別の会社に乗り換えて改修しようとしたら「著作権はこちらにあるので流用も再編集もできません」と言われ、実質ゼロから作り直し。実際にあるケースです。
見積書のどこを見るか: 「著作権譲渡」か「利用許諾」か。譲渡されないなら、その理由と将来の制約を必ず質問してください。
⑤ 保守・運用費用の有無と範囲
なぜ確認するか: 公開後の月額に何が含まれるかは、会社によって本当にバラバラです。
確認しないとどうなるか: 「月額を払っているのに更新は別料金だった」「障害対応が有償だった」。典型的な失敗です。
見積書のどこを見るか: 保守費に「更新代行・バックアップ・SSL証明書管理・障害対応」が入っているか、一つずつ確認を。入っていないものは、都度いくらかかるかも聞いておきましょう。
⑥ ドメイン・サーバー費用の契約名義
なぜ確認するか: ドメインやサーバーの契約が制作会社名義だと、発注者は自社の資産を「借りている」状態になります。
確認しないとどうなるか: 関係が悪化したり、その会社が廃業したりしたとき、ドメインやサーバーにアクセスできず、サイトそのものが使えなくなる。
見積書のどこを見るか: 契約名義が発注者になっているか。なっていないなら、名義変更が可能かどうか。ここは会社の資産を守る、最重要ポイントの一つです。
⑦ 原稿・写真等素材の準備者と費用負担
なぜ確認するか: 原稿や写真を「自社で用意する」のか「制作会社が手配する」のかで、総額が大きく動きます。
確認しないとどうなるか: 見積もりでは安く見えたのに、いざとなると原稿を書く時間がなく、結局有償で制作会社に頼み、想定より高くついた。これ、本当に多いです。
見積書のどこを見るか: 「原稿・写真は貴社にてご準備ください」の一文がないか。自社で難しいなら、取材・撮影・ライティングの追加費用を先に見積もってもらってください。
⑧ SEO対策が含まれるか
なぜ確認するか: 「SEO対策込み」という言葉が指す範囲は、会社ごとにまるで違います。
確認しないとどうなるか: 「SEO込み」と聞いて安心していたら、実際は表示速度やタグ設定などの内部対策だけ。コンテンツ制作や継続改善は含まれておらず、公開してもまるで検索に出てこない。ありがちです。
見積書のどこを見るか: 「内部対策のみ」か「コンテンツ制作・キーワード設計まで含む」か。SEOを重視するなら、公開後の運用契約もセットで考えてください。
⑨ 公開後のデータ・管理権限の譲渡有無
なぜ確認するか: サーバー・ドメイン・CMS管理画面のID/パスワードが発注者に渡るかどうか。これが「乗り換えられるか」を決めます。
確認しないとどうなるか: 管理権限が渡されないと、他社に切り替えたくても身動きが取れない。いわゆる「ベンダーロックイン」です。更新のたびに足元を見られ、高い保守費を払い続けることになりかねません。
見積書のどこを見るか: 「納品時にID/パスワード一式を発注者へ引き渡す」という条項があるか。口頭確認ではなく、必ず書面に残してもらってください。
⑩ 契約期間の縛り・中途解約時の違約金の有無
なぜ確認するか: とくに月額制・サブスク型の格安パッケージで効いてくるポイントです。
確認しないとどうなるか: 「初期費用0円」に惹かれて契約したら、最低契約期間が2年。途中解約で残期間分の違約金を請求された。実際に報告されているトラブルです。
見積書のどこを見るか: 最低契約期間・自動更新の有無・中途解約時の違約金の計算方法。契約前に必ず確認を。
※このほか「納期と検収条件」「CMS導入・カスタマイズの範囲」「スマホ対応が標準か別料金か」「追加ページ・追加機能の単価」「支払い条件(着手金・中間金・納品時の比率)」なども、実務では重要です。上の10項目に加え、余力があればここも聞いておくと安心です。
出典: 株式会社シフト、マーカーネット、Web幹事「ホームページ制作のトラブル事例と4つの対策」、Web幹事「ホームページ制作の見積もり相場」
一般論より、あなたのサイトと状況を見て話すのが最短です。現状と予算を伺って「何を・どの順番で・いくらでやるべきか」をその場でお伝えします。相談無料・しつこい営業なし・2営業日以内に返信します。
5. 費用を抑える方法
費用を下げる一番確実な手は、実は値引き交渉ではありません。「相見積もりで相場観をつかむこと」と「自分でできる部分は自分で用意すること」。この2つです。
5.1 相見積もりの実務
複数社から見積もりを取る「相見積もり」は、費用の妥当性を判断する基本の手段です。実務でのコツはこうです。
- 社数は2〜3社が最適。4社以上になると比較も管理も煩雑になり、判断軸がぶれます
- 金額だけで選ばない。同じ総額でも「どの工程にどれだけ工数が割かれているか」を見比べる
- 比較すべき5つの軸: ①金額だけで選ばない ②初期費用と月額の内訳 ③制作範囲とページ数 ④集客につながる実装の有無 ⑤著作権・解約条件
- 相見積もりだということは、各社に正直に伝えて構いません。むしろ、透明性のある会社ほど気持ちよく対応してくれます
出典: Web幹事「ホームページ制作の相見積もりは何社が正解?」、cantik
一つ、参考になるデータを。WACUL社が2021年に公開した調査では、コーポレートサイト(CMS導入・10〜20ページ規模)は予算300万円以上で成功確率69%、予算100万円未満では30%。LP(1ページ)でも予算50万円以上で60%、25万円未満では37%。つまり、予算が少ないほど成功確率が20〜40%ほど下がる傾向が出ています(出典: WACUL TECHNOLOGY & MARKETING LAB、2021年5月公開)。やや古く、同社独自のアンケートという前提はありますが、「安ければ安いほど良い」という発想がリスクを抱えていることを示す一つの目安にはなります。
5.2 素材・原稿を自前で用意する
10項目の⑦とも重なりますが、会社紹介文・サービス説明・スタッフ写真などを自社で用意できれば、その分の制作費は削れます。
ただし、落とし穴もここにあります。「自分で書けば安くなる」と安請け合いして、結局納期に間に合わず、有償で制作会社に巻き取ってもらう、これでは本末転倒です。自社でどこまで対応できるかを、着手前に現実的なスケジュールとセットで見極めてください。
5.3 補助金は使えるのか(2026年最新)
「補助金でホームページ代を抑えたい」。この相談も非常に多いのですが、2026年時点で状況が大きく変わっています。先に釘を刺しておきます。補助金は年度ごとに内容が変わりやすく、この記事の情報も申請時点では古くなっている可能性があります。検討する際は、必ず公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)
2026年から、これまでの「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金2026」へ名称が変わりました(出典: デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト、起業の「わからない」を「できる」に)。
多くの方が誤解しているのがここです。通常のホームページ制作(デザイン費・コーディング費)は、原則この補助金の対象外です。 この制度は中小企業の業務効率化・生産性向上のための「ITツール(ソフトウェア)導入」を支援するもので、ただの会社紹介サイトの制作費はカバーされません。ただし、予約システムやECカート、顧客管理(CRM)のような「業務プロセスを含む機能」をサイトに組み込む場合は、そのITツール部分が対象になり得ます(出典: DGINDEX、adfactoryhearts)。「ホームページに補助金が使える」という言葉を鵜呑みにせず、自社が作りたいサイトにこうした機能要件があるかを整理したうえで、公式の公募要領を確認してください。
小規模事業者持続化補助金
こちらは、ホームページ制作が「ウェブサイト関連費」という経費区分に該当する制度です。ただし重要な縛りがあって、ウェブサイト関連費だけの単独申請は原則できません。機械装置費など、ほかの経費区分と組み合わせる必要があります。
上限額のルールも2026年に入って変わりました。以前は「補助金交付申請額の1/4を超えないこと」という定率ルールでしたが、2026年5月27日公開の第20回公募要領からは、ウェブサイト関連費・広報費それぞれについて税込30万円の独立した定額上限に変わっています。つまり申請規模が小さくても、最大30万円まではウェブ関連費に充てられる計算です(出典: 中小企業庁「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)」公募要領公開のお知らせ)。ただし、この費目区分のルールは公募回ごとに見直される可能性が高い。この記事の情報も、次回公募の時点では古くなっているかもしれません。検討する際は、必ず公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
対象になりやすいのは、商品・サービスの販路開拓を目的としたホームページ(ECカートや集客導線があるサイトなど)です。逆に、単なる会社案内・名刺代わりのサイト、コンサルティング費用、公開に至らなかったサイトの制作費、SNS広告の運用代行費などは対象外になりやすいので注意してください。
6. よくある質問
- 相見積もりを取るとき、予算感を先に伝えたほうがいいですか?
-
伝えたほうがスムーズです。予算を隠したまま依頼すると、各社が「出せるだけ出す」提案になりがちで、かえって比較が難しくなります。おおよその予算レンジを先に伝え、その中でどこまで実現できるかを提案してもらう。この形が現実的です。
- 「一式○○円」という見積もりは断るべきですか?
-
即断るとまでは言いません。ただ、内訳を分解してもらえるかは必ず確認してください。分解を頼んだときに快く応じてくれるかどうかも、その会社の透明性を見極める材料になります。
- 制作会社とフリーランス、どちらが安心ですか?
-
一概には言えません。フリーランスは費用を抑えやすい反面、個人の力量とキャパシティに依存します。制作会社は費用が上がる分、複数人によるチェック体制や法人としての保証がある。予算だけでなく、公開後の運用・サポート体制まで含めて比べてください。
- ホームページ制作に補助金は使えますか?
-
2026年時点では、通常のホームページ制作費は「デジタル化・AI導入補助金2026」の対象外が原則です。予約システムやECカートなど業務プロセスを含む機能なら対象になり得ます。また「小規模事業者持続化補助金」なら、ほかの経費と組み合わせる形でウェブサイト関連費として申請できる可能性がありますが、単独申請は原則できず、上限額のルールも2026年5月の制度改定で変わったばかりです(2026年7月時点でウェブサイト関連費は定額30万円が上限)。いずれも申請前に、必ず公式サイトで最新の公募要領を確認してください。
- 見積もりが想定より高いと感じたら、どう交渉すればいいですか?
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いきなり値引きを求めないこと。まず「どの工程にどれだけ工数がかかっているか」を質問し、削れる工程がないかを一緒に考えてもらうのが有効です。ページ数を減らす、素材を自社で用意する、デザインパターンを絞る——こうした調整で、品質を落とさずに費用を抑えられることがあります。
- 安いホームページ制作サービスは避けたほうがいいですか?
-
一律に避けるべきとは言いません。ただ「安さの理由」を理解した上で選んでください。テンプレート活用によるコストダウンなのか、保守・サポートを削っているのか、契約期間の縛りで長期的に回収する仕組みなのか。それによって、自社に合うかどうかは変わります。本記事の「見積もりで確認すべき10項目」で契約内容を確かめてから判断を。
7. まとめ
ホームページ制作の費用は、依頼先(大手・中小制作会社・フリーランス・格安パッケージ・ノーコード自作)で数万円から数百万円まで幅があり、サイトの種類(コーポレート・LP・EC・採用・オウンドメディア)でも金額の基準が変わります。「相場より高い/安い」を単純に比べるのではなく、その金額に何が含まれているのかを見る。これが、後悔しない発注の第一歩です。
とくに、見積もりが「一式」になっていないか、著作権や管理権限が譲渡されるか、保守・運用費に何が含まれるか。この3つは、契約後にトラブルへ化けやすい部分です。本記事の10項目を、見積もり比較のチェックリストとして手元に置いてください。
そして補助金。2026年に制度が大きく変わり、「ホームページ制作=補助金対象」という以前の常識はもう通用しません。安易な情報を鵜呑みにせず、必ず公式サイトで最新の公募要領を確認したうえで、自社に合った依頼先を選んでください。

